麹・甘酒
日本食には欠かすことができない麹は、米・麦・豆等の穀物に麹菌(コウジカビ)を繁殖させてできたもので、日本の国菌として認定されています。
この麹を使用した発酵食品は、漬物、味噌、醤油、味噌、酒、甘酒、米酢など多岐にわたり、日本人の生活に深く根付いています。
特に全国でも有数の米どころとして知られている秋田県では、さまざまなシーンで米麹を使ったものが食されています。
※平成18年10月12日 本醸造学会大会で麹菌(Aspergillus oryzae=アスペルギルス・オリーゼ)が国菌に認定されました。
秋田では、米麹をつくり、日本酒、味噌、醤油などたくさんの発酵食に役立ててきました。麹と米、塩でつくる漬床「三五八(さごはち)」や、魚に野菜、米、麹を加えて乳酸発酵させた「飯ずし(いずし)」は、厳しい気候風土の中で食材を貯蔵するために生まれた、知恵と工夫の賜物と言えるでしょう。 麹には食物のデンプンやタンパク質などを分解する酵素が含まれ、その作用によって甘味や旨味が増え、また素材を柔らかくする効果があります。
秋田の冬祭りでは、甘酒がふるまわれることもあり、「甘酒は、寒い冬に飲むもの」というのが、一般的なイメージとなっていますが、実は「甘酒は夏の季語」なのです。
江戸時代には「甘い、甘い あまーざけっ」と天秤棒をかついで甘酒を売り歩く甘酒屋は、 夏場の風物誌でした。
秋田県の甘酒は、米麹のものです。デンプンの糖化 による甘味のため酒粕甘酒に比べさっぱりしています。
麹に米と水を加え、ゆっくり加熱して発酵・糖化させてつくる甘酒は、ブドウ糖やアミノ酸を多く含むため、夏の体力回復ドリンクとして珍重されてきました。“お酒”といってもアルコール分はなく、塩をほとんど使っていないため、砂糖に代わる調味料=“甘麹”として、料理にも活用されています。
秋田県は、県南部を中心に麹甘酒を作る文化が根付いています。漬物同様それぞれ独特の味を継承しています。最近の健康ブームにより、甘酒を好んで飲む人が増えてきています。
※画像は安藤醸造:発酵ミュージアム秋田みそ・醤油より
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、パントテン酸、全ての必須アミノ酸、大量のブドウ糖が含まれています!
この栄養素の種類の多さが、「飲む点滴」と呼ばれる理由です。ノンアルコールのためお子様でも安心して飲むことができます。
※画像は「旬菜みそ茶屋 くらを」:発酵ミュージアム漬物より
酒粕をつかった甘酒は、現代的な製法です。
砂糖を使用した甘味で、コストが安く大量生産できるため一般的にこちらが知られるようになりました。
米どころ秋田の漬物には米麹が使われているものが、たくさんあります。
寒こうじは、漬物の素として使うもので、2月の寒の内に作ると悪くならないと言われています。よく発酵させ、甘みを引き出した塩こうじです。
秋田の食文化に欠かせない「麹」。さまざま発酵食品に使われています。秋田の麹・甘酒を体験してみてください。